療育手帳の全国統一化のニュースについて…で思うこと。

育児

わが家には重度の知的障害で自閉症スペクトラムの傾向がある長男くんがいます。

わたし自身、長男くんが生まれてきて障がいがあるという現実を知らされるまで、正直、障害福祉に関する知識や興味がほとんどありませんでした。

いま振り返れば仕方がないと言えば、仕方がないですが、このように“当事者”として気づいてしまったからには、少しでも長男くんのためによりよい社会になっていって欲しいと思っております。

そんな中で地道に続けているのが、障害福祉に関する勉強です。

勉強と言っても大げさなものではなく、日々気になった障害福祉に関するニュースを見つけては、調べてみてチェックしていくというものです。

ちっちゃな積み重ねですが、知らなかった時代と比較すると大きな進歩です。

知ることで新しく選択肢を得られることもあります。

日々勉強です。

そんな中、ちょっと前ですがこんなニュースを見かけました。

療育手帳を全国統一 厚労省が検討会設置の方針(2025年07月10日 福祉新聞編集部)

情報源である「福祉新聞」は、障害福祉を含む福祉に関しての専門誌です。

かなりニッチなニュースも取り上げてくれています。

この療育手帳の統一化に関するニュースもそのひとつです。

今回はこのニュースについて取り上げたいと思います。

※このブログにはOpen AI社提供のChatGPT(2025.07.27時点)を使った情報が含まれます。

療育手帳とは

療育手帳(りょういくてちょう)とは、知的障害のある方が福祉サービスや支援を受けやすくするために交付される手帳です。日本全国で制度としては共通していますが、呼び方や判定の基準、支援内容などは自治体ごとに多少異なる場合があります。

項目内容
対象者知的障害があると判定された人(子ども~大人まで)
目的福祉サービス、医療、教育、就労などの支援を受けやすくするため
交付主体各都道府県・政令指定都市などの自治体
手帳の呼び名「愛の手帳(東京都)」「みどりの手帳(大阪府)」など、地域により名称が異なる
等級知的障害の程度により、重度・中度・軽度など(A1・A2・B1・B2などの分類)

わが家の長男くんも療育手帳は取得しています。

3才のときに新規で申請して、すでに2回ほど更新をしています。

療育手帳の申請や更新のときのエピソードについては、以前にもこのブログに書かせていただきました。

療育手帳の更新時期がきた…で思うこと。
そんなわが家にもなじみ深い療育手帳なのですが、全国的には規格や診断基準が“統一化”されていないという問題があります。

療育手帳の問題点と全国統一化によるメリット

療育手帳の全国統一化は、2024年末~2025年にかけて話題になっている重要な制度改革です。この背景には、自治体ごとにバラバラな運用がなされている現状の課題があります。

療育手帳は地域によって呼び名が違ったり、運用ルールが違っていたりします。

そのため他の市町村に引っ越しをすると、再度申請をやり直す必要がでてくることもあります。

めんどくさいですよね。。。

障がい児を連れて役所の手続きにいくことほど、手間のかかることはないです。

素直に大人しく待ってくれることなどはありません。

できれば、そんな手間はかけたくない!

そんな市民の声が行政に届いたのか(?)、療育手帳の全国統一化の議論が始まっています。

🔻現状の「問題点」

① 地域ごとに運用ルールが異なる(全国共通の制度ではない)

  • 呼び名・等級の分け方・申請手続き・サービス内容などが自治体によって異なる。
    • 例:東京都=「愛の手帳」4区分、大阪府=「みどりの手帳」2区分など。
  • 引っ越しすると「等級が変わる」「手帳の再取得が必要」などの不便がある。

② ICT化・デジタル化が進んでいない

  • 紙の手帳が主流で、他機関との情報連携が非効率
  • マイナンバー等との連携もほとんど進んでおらず、手続きが煩雑

③ 医療・教育・就労支援との連携が弱い

  • 地域によっては学校や医療機関との情報共有が限定的で、支援が一貫していない。
  • 民間企業での合理的配慮の周知も不十分。

🔷統一化による「メリット」

✅ 1. 引っ越し・転居時の手続きが簡略化

  • 統一フォーマットにより、手帳の再判定・再発行が不要に
  • 同じ等級・サービスを維持しやすくなり、家族の負担が軽減。

✅ 2. 等級やサービスの透明性・公平性が向上

  • 地域差が縮まり、知的障害のある人がどこに住んでいても平等な支援を受けやすくなる。

✅ 3. マイナンバーやICTとの連携が進む可能性

  • 将来的に**「マイナンバーカードで療育手帳の情報管理」**が可能に。
  • 医療・福祉・教育機関とのスムーズな情報共有が期待される。

✅ 4. 就労・進学時の支援が受けやすくなる

  • 全国共通の等級であれば、企業や大学も対応しやすくなる。
  • 障害者雇用や特別支援教育との連携もより現実的に。

🔶全国統一化の導入時期(予定)

  • 2025年度以降にマイナンバーカードとの連携による全国共通の「療育手帳」デジタル化を目指していると報道されています。
  • 厚労省・文科省など関係省庁が連携し、整備が進行中。

(余談)ミライロIDとの関係は?

療育手帳を含む障害者手帳のデジタル化ということを掲げて、ひとつのミッションを掲げている企業があります。

株式会社ミライロ

このミライロという企業については以前ブログでも取り上げさせてもらったことがありますが(障害者手帳アプリの『ミライロID』について…で思うこと。)、なんとこのミライロは2025年3月に東京証券取引所 グロース市場に上場をされています!すごい。

ミライロもこの療育手帳の全国統一化によるメリットやシナジーが出てくると思われます。

観点メリット・シナジー
行政のDXニーズとの一致療育手帳の全国統一・デジタル化は行政の大きな方針。ミライロIDはすでに多くの障害者手帳に対応済であり、連携のベースがある。
ユーザー利便性ひとつのアプリで、身体・精神・療育すべての手帳情報が統一管理できる未来が実現可能。
交通・施設連携の実績ミライロはJR・私鉄・大手施設と連携済。療育手帳の割引証明としても活用できる基盤がすでにある。
自治体との協業余地療育手帳の発行主体は自治体。ミライロにとっては全国の自治体と連携できる足掛かりになる。
情報発信・啓発の拡大療育手帳の取得や支援制度の認知が進んでいない現状に対し、ミライロが当事者視点でアプリやSNS等を通じて支援情報を伝えることができる。

しかし、一方でミライロにとってもデメリットや懸念点もあるようです。

観点デメリット・懸念点
プライバシー・個人情報管理障害に関するセンシティブ情報の取り扱いが前提となるため、厳格なセキュリティ管理・ガバナンスが求められる。社会的責任も大きい。
自治体のITリテラシー格差特に地方ではデジタル化が進んでいない自治体も多く、ミライロが一社で統一フォーマットを実装するには限界がある可能性
ミライロへの過度な依存リスク公的制度のインフラを民間企業(ミライロID)に過度に依存する形になると、障害者手帳の公的な位置づけが不明確になる懸念も。
公平性の問題ミライロIDは現状スマホアプリベース。高齢者やスマホ未保有者への配慮が必要。紙との併用設計が必要となる。

わたくし個人としては、ミライロの企業理念は素晴らしいと思っておりますし、企業活動についても応援しております。

がんばって欲しいと思っております。

最後に

本日は「療育手帳の全国統一化」をきっかけとした、障がい福祉に関するニュースを取り上げてみました。

いろいろと調べてみて感じることは、「知らなことばかり」ということ。

これからもちょっとずつ、地道に知識・知見を増やしていきたいと思います。

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