特別児童扶養手当について…で思うこと

育児

わが家には重度の知的障害で自閉症スペクトラムの傾向がある長男くんがいます。

さて。

今回は障がい児育児ならではの制度というか手当についてです。。。

皆さん、『特別児童扶養手当』という手当をご存じでしょうか。

制度概要については、厚生労働省のHPを参照ください(厚生労働省のHPより引用)↓

お子さんの障がいの程度によって支給される金額が異なります。

重度だと1級で月55,350円、中度だと2級で月36,860円の支給となっています。

かなりありがたい制度ですし、金額的にもとても助かる制度です。

今回はそんな特別児童扶養手当についてのお話です。

衝撃!?支給要件に合致してるのに申請してないママ友さんがいた

わが家の長男くんは特別支援学校に通っているので、周りのお子さんはすでに療育手帳を持ってる子も多いですし、見た目からも障害程度が重めだろうなぁと分かる子も多いです。

なので、特別児童扶養手当も結構ご存じの方も多いはずですし、受給されている方も多いと思います。

しかし、先日ママの話を聞いて驚愕でした…。

「○○ちゃん(←ママのママ友)って、ちょっとよく分からないから?手続きがめんどくさそうだから?って特別児童扶養手当を申請してないんだって。」

…。

え?そんなことってあるんですか???

○○ちゃんのところのお子さんって、療育手帳も持ってるし、しかも重度じゃなかったっけ?(→確かそうです)

え?重度の場合って、療育手帳の受け取りの際に市役所でそのまま申請の説明を受けるし、手続きもそんなに大変じゃないですやん…。

え?それなのに、特別児童扶養手当を申請してないのですか…。

月55,350円ですよ(ちなみに手当の金額は毎年度、物価によって変動するらしいですよというのは本題ではないのでいったんスルー)。。。

非課税でそんなにいただけるのに、それを申請せずですか…。

…。

うーーーん、他人様のことなので、口出しすることではないですが、そこは親としてがんばりどころだと思います。

是非とも申請してくださいませ。

ちなみに、千葉県市川市だと、特別児童扶養手当と合わせて市の独自手当として、「市川市心身障がい児福祉手当」という手当ももらえます。

・市川市HPより(市川市のHPより引用)↓

支給金額は以下のとおり。だいたい“重複”に該当するのではないのかと。。。

—ここから↓

単独 8,000円/重複 12,000円/併給 4,000円

※単独(対象者1~3のうち1つ)
 重複(対象者1~3のうち2つ)
 併給(対象者1~3のうち2つかつ障害児福祉手当(国)の受給)

—ここまで↑

この制度と合わせれば、月67,350円の支給で年換算で808,200円の支給となります。

凄まじいインパクトです。

確かに申請手続きでめんどくさいところはあります。

でも、です。

年間80万円超の支給を考えれば、ココはがんばりどころです。

めんどくさいと言っている場合ではございません。

(○○ちゃん!がんばって申請してみましょう!!)

※ちなみに、後日ママ経由で聞いたところ、○○ちゃんが無事に申請に向けて動き出したとのことです。まずは市役所に行ってみるとのこと。よかった、よかったぞ。。。

“軽度”の場合での支給できる可能性がある

この特別児童扶養手当についてですが、療育手帳の中度からの支給対象となっていますが、実は“軽度”でも受け取ることができる可能性があります。

というか、わが家は実際に“軽度(Bの2)”のときに受給できておりました。

これはあくまでも可能性の問題なので、参考程度に聞いてもらえればと思います。

わが家の長男くんは、一番最初の療育手帳の交付はBの2で“軽度”の診断でした。。。

→これまでの長男くんの療育手帳の歴史を振り返っておくと、、、

 3才の初回の申請のとき:Bの2(軽度)

 5才の更新のとき:Aの1(重度)

 7才の更新のとき:Aの○(最重度?)

 となっております。

いま思い返すと、最初に療育手帳を交付してもらったときに市役所で特別児童扶養手当について説明を受けたのですが、「これは中度の方から対象で…」「中度の方でも絶対というわけではなくて…」というようなお話をされていたと思います。。。

中度・重度の場合には、医師の診断書が不要で申請ができるんですよね、たしか。。。

そして、「軽度の方でも申請はできるのですが、めったに支給決定がされることはないですよ。。。…うんぬんかんぬん…」(by市役所の方)と仰っていました。(市役所の窓口の方、その節はご説明ありがとうございました。。。)

そのときは、あらそうなのね、という程度で帰ってきたのですが、その後ママが「軽度の子でも支給できてるってネットで書いてる!?」というビッグニュースを掴み取ってきて、そこからわが家での挑戦(?)が始まったのです。。。

結論を先に申し上げると、そこから申請に必要な医師からの診断書を書いてもらって申請して、中度の金額で支給が認められることとなりました。

このときはママが大活躍でアレやこコレやと段どってくれて、たくさんあった申請書類も全部用意してくれて申請&受給に至りました。

パパの当時の気持ちとしては自分だとめんどくさくてやり切れていなかっただろうなぁと思うばかりです。

とにかくママに感謝です。

…。

ここにて振り返ると、療育手帳の軽度・中度・重度の区分と療育手帳のそれとは厳密には違うようです。

ただし、中度・重度だと療育手帳での交付時に、特別児童扶養手当の申請書類を一緒にもらうことになります(実際にわが家もそうでした)。

そして、中度・重度の場合には医師の診断書が要らないので、申請自体は軽度のときでやったときよりもはるかに簡便だったかと思います。

わが家はなぜ軽度で特別児童扶養手当で受給できたのか

わが家の事例として運よく受給できましたというお話でしたが、残念ながらこれが他のご家庭(軽度のお子さんがいらっしゃるご家庭)にすぐさま当てはまるとは申し上げられません。。。

ではなぜ、わが家では軽度で特別児童扶養手当が受給できたのか…。

・理由その1:ママの高い情報収集能力と役所への猜疑心…

当時のママは長男くんのことでいろいろとショックを受けて心身ともにへたりこんでおりました…。

それはそれで、深刻な状況だったのですが、知的障害のことや自閉症のことなどをひたすらネットサーフィンしておったとさ…。

インスタやブログなどのネットで調べては、その情報で凹むという悪循環を繰り返しておりましたとさ…。

この件はまた別の機会にでも書いてみたいと思いますが、いろいろと親としてやっぱり精神的なショックは大きいですよね。。。

…。

さて、そんなときに療育手帳の申請などはパパの方で勝手にやっており、無事に交付を受けた頃のこと。。。

「あれ?軽度でも特別児童扶養手当を受け取っている人がいる!!」とママが突然しゃべりかけてきたのです。。。

この日からです、ママが元気になっていったのは。。。

※後日聞くと、これきっかけで元気になっていったわけではないとママは仰っておりました。。。

ママが言うには、インスタか何かで見かけたママさんの障がい児の様子をみると、わが家の長男くんよりも障がい程度は軽そうとのこと。

そうであれば、長男くんも特別児童扶養手当が受け取れるかも、と思ったらしく。。。

また、ママは仕事柄、公的機関・役所に問い合わせることが多く、だいたい役所の公務員さんは「無理ですよ」「難しいですね」とNoを出しがちという特性を知っているとの理論を展開していました。

「役所の人はだいたいダメって言うのよ」とのこと。。。

パパからしたら、市役所の人が「それは難しいです」って言ってたらたいていダメだって思うのだけどなぁ。。。

このときばかりはママの役所への猜疑心(さいぎしん)が役に立ちました。

・理由2:かかりつけ医の多大なるご協力があった

軽度の場合には医師の診断書が必要です。

そこでその当時、通っていた小児科の先生に療育手帳の取得の報告をした際に、ふと知能指数テストの結果をお伝えしたのです。。。

「え?その知能指数で軽度の診断ですか???」、「通常、その数値なら中度以上での診断が普通だと思うのですが…」とびっくりされていたのを覚えています。

療育手帳の際の申請では田中ビネー知能検査と呼ばれる検査でお子さんの知能指数を測ります。

なお、その検査結果は後日申請すれば紙でもらうことができます(ただし、返送用の封筒を入れて等のメンドクサイことが必要です)。

わが家では記録用として残しておくために申請をしておりました、これが功を奏しました。。。

検査の知能指数のみを用いて、軽度・中度・重度を診断するわけではない、という説明を検査の際に検査員さんにご説明を受けてはおりましたが、素人が数値だけをみても正直、どのようにその数値を取り扱ってよいのかも分からずでした。

ということで、小児科の先生に報告したのでした。

先生曰はく、「そうであれば診断書を書きますので」ということで、長男くんの事情をよく知る先生がきちんと状況を理解して診断書を出してくれることになりました。

こういったときのためにもかかりつけ医というのは重要ですね。。。

(とはいえ、障がい児に理解があって、しかも通いやすい小児科医を探すのが結構大変なんですよね…)

…。

まぁ、そんなこんなでいろいろと幸運も重なり無事に特別児童扶養手当の受給が決まりました。

本当にありがたかったですよね。

受給できるのと出来ないのとでは全然違いますからね。

いま振り返ると…

いま振り返ると、もともとの“軽度”の診断が怪しかったな、と。。。

知能検査を受けられたことがある方は分かるかと思いますが、あの検査って結構ビミョーなところがあるんですよね。

文句を言いたいわけではなく、けっこう検査員さんのやり方次第なところもあったり、あと言語的遅れが目立つお子さんにとっては、実態以上に数値が低く出ることもあったりして。。。

いろいろと思うとこはあるのですが、いま改めて振り返ると、あの当時の長男くんの状況は“軽度”ではなかったですね(中度以上かと)。。。

検査員の方も、「まだ小さいので何とも言えないところがあります」と何度も仰っていたのは記憶に残っているのですが。

うーーーん。。。

いまさら言っても仕方がないですね。

今回は特別児童扶養手当のことをテーマにしているので、いまそれだけを切り出せば最初から中度以上と診断されていれば、その点では助かっていたことは多かったかなと。

正直、制度や手当だけのことを言うと、“軽度”と診断されても福祉サービスの面ではほとんどメリットがないのですよね。。。

ただ、それはいまさらですね。

いろいろと勉強させてもらいました。

それと、少しフォローをしておくと、当時(つまり一番最初の療育手帳の申請時)でいきなり中度や重度と診断されていたら、わが家ではそれはそれでもっと大きなショックを受けていただろうなと。

その点では、“軽度”と言われてなぜだか少しほっとした自分がいたのも事実です。

だから、なんとも言えませんね。。。

当時の心境や更新時のことについては、過去のブログに書いてあるのでよろしければどうぞ(療育手帳の更新時期がきた…で思うこと。)。

特別児童扶養手当における所得制限について物申す

さて、特別児童扶養手当について、是非とも物申しておきたいことがあります。

それは、先ほど制度のところでも紹介しましたが、特別児童扶養手当には所得制限があるのです。

このあたりは別のサイトでまとめてくれている方がいらっしゃいます(イクハクさんより引用)↓

最近(2024年10月)、児童手当の所得制限の撤廃が実施されたばかりですが、障がい児の特別児童扶養手当はまだ所得制限があります。。。

国や行政も障がい福祉のためにいろいろと尽力してくれているのは重々承知しているのですが、特別児童扶養手当の所得制限はやめて欲しいっす。。。

本当にお願いします。。。

上記の所得制限って、結構厳しくないでしょうか…。(本人と書いてあるのは、障がい児本人を指してます。。。)

一般的には障がい児本人の収入や所得はゼロが多いかと思いますので(また、配偶者がいるケースも少ないかと思いますので)、扶養義務者(その多くはパパorママかと)の収入額と所得額が重要になってきます。

※特別児童扶養手当は世帯年収ではなく、いわゆる世帯主1人の収入・所得が対象となっています。このあたりもややこしいですよね。

扶養義務者の収入額や所得額は、その金額だけ見れば、世の中平均で言えばそれなりに良い給与水準かも知れませんがもの凄く高年収っていうほどの額でもないですよね。。。

何とか見直しを~。

所得制限の撤廃が理想だと思っていますが、どうしても所得制限が必要であるならば、せめてもう少し基準を高いところに設定してください。

特別児童扶養手当の使い道について

そもそもなのですが、特別児童扶養手当は世帯主への給付であり、障がい児の育児における負担軽減を狙ったものであることも理解しております。

※障がい児の育児って、普通の子育てよりも正直余分にお金も掛かるんです。わが家のケースで言えば、トイレも大きい方はまだ紙パンツですし、夜中は当然紙パンツです。紙パンツ代とおしり拭き代が想像以上に掛かったりするんです(涙)。これは一例で、その他にもいろいろと。。。

制度主旨は重々承知しているのですが、わたくし個人的には特別児童扶養手当(もしくは育児に掛かる費用負担分を差し引いた分)は、その子どもの将来のために、いまから手当して準備しておくべきだと思っているんです。

将来のための手当となると、それば制度主旨と異なる!と一喝されるとそれはそれで困るのですが、いったん聞いてください。

※というか、困っているのは障がい児を実際に育てているのは私たち親なので、ちょっとだけ主張を聞いてくださいませ(誰に対する主張かは謎になっておりますが)。。。

障がい児育児って、いま現在の負担感も確かに大きいのですが、それと同じくらいに子どもの将来についての負担(ここだと不安といった方が近いでしょうか)があるんです。

親亡き後のこともそうなのですが、その手前の期間でも子どもが高校を卒業したとして、それ以降の子育て(高校を卒業するころには18才を過ぎているので、もう成人している!正確には子育てとは呼べないのですが)にも不安があり、それ相応の費用が掛かってくるのです。

もう成人しているのだから、それは行政としてご本人(我々で言うところの長男くんを指す)をサポートしますと国が言ってくださっても不安です…。

実際に。。。

国としては障害年金等の制度を用意してくれていたりするのですが、それでもざっくりと月6.5万円程度(障害程度によったりしますが、長男くんの将来予想ベースで試算)です。不安です…。

その他の福祉サービス(就労支援や生活介護、グループホーム、各種施設入所、各種サービスの利用等etc ただいま勉強中です)を準備してくれていたりするのも知っています。。。それでも不安です…。

大丈夫、安心してください、と言われても不安です…。

こういった不安に対処するためにも、こういった不安を親として今から準備するためにも、特別児童扶養手当を受給していまから備えておきたいのです。

それなのに所得制限って…。

子どものために準備しているのに。。。

そして、わたしとしては将来の備えとしては、まだ十分に時間があるので特別児童扶養手当を運用に回しておくというのは非常に相性が良いと思うのです。この話はまたどこかで…なのですが、簡単に試算すると月6万円(年72万円)を18年間受給できると合計1,296万円となります。これでも十分すごい!でも、さらにこれを毎月6万円(年72万円)の投資で年利5%で18年間受給し運用しておくと2,089万円になります。すごいぞ複利の力!

※運用に回せるくらいに余裕があるんだったら、やっぱり(特別児童扶養手当は)受給しなくてもいいんじゃないか、という勝手なツッコミを想定しているのですが。。。そういったご指摘は確かにあるかもですが、これは優先順位をつけていまの負担感よりも将来の不安感の方に重きをおいて対策をしておくという作戦です。全員にオススメしているわけではないです。

…。

とりあえず、特別児童扶養手当の所得制限を撤廃してくださると嬉しいです…。

そして、現在、特別児童扶養手当を受給されている方は新NISAなども活用して、幾分か運用しておくこともオススメです。

最後に

さてさて。

奥深き特別児童扶養手当。。。

他のご家庭はどうされているのでしょうか。。。

受給資格があるのに申請されていないママさんがいらっしゃったのはびっくりでしたが、特別児童扶養手当は障がい児育児の心強い味方です。

ぜひとも有効活用していきましょう。

ではでは。

(追記)

市役所でいただいた特別児童扶養手当に関するパンフレットには、、、

~~~

『特別児童扶養手当とは』?

家庭で介護されている障害のある児童(20歳未満)の福祉の増進を図り、その生活に寄与することを目的として、児童の父母又は養育者に対して特別児童扶養手当が支給されます。

~~~

と書いてあるので、特別児童扶養手当を将来のために運用に回しておくというのは主旨から外れているわけではなさそうですね。よかったです。

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