わが家には重度の知的障害で自閉症スペクトラムの傾向がある長男くんがいます。
長男くんは現在、特別支援学校に入学し、元気に通っています。
今更ながら保育園時代を懐かしく振り返ると、大きく成長してくれたと思います。
発語は相変わらず、1語文(ゴハン!)や2語文(ゴハン、食べる!)がほとんどですが、ある程度の意思疎通ができるようになりました。
障がい児もゆっくりとではあるものの、ちょっとずつ成長しているのだと実感します。
パパやママの発している言葉は、だいぶ理解してくれるようになっており、
・ダメだよ
・順番ね
・ちょっと待ってね
・手を洗いましょう
・トイレに行きましょう
などなど、指示が通るというのですかね、それなりにコミュニケーションスキルが上がったと思います。
さて。
そんなときによく思うのですが、これって療育の効果なのかな~というものです。
いま現在、お子さんを療育に通わせているご家庭がよく思うこととして、「これって意味あるのかな?」というものがあるかと思います。
少なくとも私は思っていました。
療育を受けている長男くんを見ては、「ただ、遊んでいるだけのように見えなくもない…」と思っていました。
でも、いま小学生になった長男くんをみてみて、療育って一定の効果があったと思っています。
本日はそんな振り返りのお話です。
わが家の療育
わが家では最終的にABA(応用行動分析学)に取り組む事業所さんに週5日間通っていました。
「ABAに基づいた療育」ってなに?どんな効果が得られるの?
ABA(Applied Behavior Analysis:応用行動分析)とは、発達障害もしくは傾向があるとされるお子さまに対して、早期療育に活用される心理社会的なサポートのひとつです。行動の前(きっかけ)と後(結果)を分析して適切な行動に変えるためのアプローチをおこなう手法です。発達障害の中でも、自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性のあるお子さまに対して、とくに効果があると考えられている療育方法です。
※デコボコガイドさんより引用
途中、お勉強系の療育を併用していた時期もあるのですが、長男くんには合わなかったというか、あまり楽しく通所できていなかったので、もともと週3日間通っていたABA療育を週5日間に増やして落ち着きました。
長男くんは、保育園時代にABA療育は3~4年間程度通ったことになります。
いま思うと本当に大変でしたが、保育園にも通いながらも、療育にも通うということを続けられてよかったと思います。
療育の送迎に関しては、仕事をセーブしてまで尽力してくれたママの貢献が大きいです。
本当にいまさらながらですが、感謝しています。
ママ、ありがとう!
療育による効果
ABA療育がよかったというよりも、通っていた事業所さんが本当によかったと思っています。
スタッフさんも親切丁寧で、優しくて、長男くんも通うのを楽しみにしていました。
療育がお休みの日でも、「○○さん、行く~」と要求を発していたくらい楽しみにしていました。
そういった療育の事業所さんと出会えたこと、そして、通所しやすい場所に住んでいたことがラッキーだったと思います。
小学生になったいま、長男くんができることが増えているのも療育のおかけだと思っています。
主だったものを書き出していきたいと思います。
周囲に興味を持つようになった
長男くんは自閉の傾向が強かったと思います。
あまり周囲には興味がなく、「自分の世界にこもりがち」でした。
・周りにお友だちがいても関係なく、ずっと自分のペースで遊ぶ
・先生に話しかけられてもスルー
・自分のルーティンを守る
などなど、もちろん今でもその傾向はありますが、療育のおかげで周囲への興味が強くなっていったと思います。
呼びかけられれば振り返るし、お友だちとの関係で遊ぶことができるようになったし(順番を守るなど)、ルーティンへのこだわりもある意味切り替えができるようになりました。
周囲への興味が増すことで、長男くんも刺激がより多く入るようになって、コミュニケーションの回数も増えたと思います。
目線が合うようになった
長男くんの目線も大きく広がったと思います。
以前は、話しかけられても無視だったのが、きちんと目線を合わせてコミュニケーションができるようになりました。
健常児に比べればまだまだかも知れませんが、保育園時代よりも、右に左に目線を配り、前後にも振り向くことが多くなりました。
これも療育で訓練していたことです。
スタッフの方が目線を広く持てるように、部屋の右端と左端にポイントを置いて長男くんの目線を意図的に動かすようなことをしてくれていました。
いま思うと、そういったことの一つ一つが今に活きてきていると思います。
指示が通るようになった
少し重複するかも知れませんが、療育によって指示が通りやすくなっていると思います。
やって欲しいときには、ちゃんと「ありがとう」と伝え、ダメなときにはちゃんと「ダメだよ」と伝える。
これによって良いことと良くないことを長男くんの中で強化されていったものと思われます。
指示が通りやすくなると、日々の生活でも本当に役に立って、コミュニケーションがスムーズになります。
早期療育の重要性
国の取り組みとして、早期療育がテーマとして挙がっています。
AIによる早期療育の概要は以下のとおりです。
早期療育とは、発達に遅れや偏りが見られる子どもに対し、できるだけ早い段階から適切な支援や指導を行うことで、その子の成長を促し、より良い生活を送れるようにサポートする取り組みです。早期療育の目的は、障害の軽減や基本的な生活能力の向上を図り、自立と社会参加を促進することです。特に、脳が急速に成長する幼少期に支援を始めることで、子どもの発達を促し、自信を持って成長できるようにサポートすることが重要です。
療育をやっていた長男くんと、療育をやっていなかった長男くんを比較するということは、現実的にできませんが、わが家では療育は効果があり、意味ある取り組みであったと思っています。
当時は思い悩んでやっていたことですが、数年が経ち小学生になった姿を見て、改めて感じるところです。
いまさら意味がなかったと思いたくない、というバイアスが掛かっているかも知れませんが、早期療育はきちんとエビデンスがある取り組みあるということが分かっています。
療育の注意点
療育といっても、いろいろな種類の療育があります。
リトミックなどの運動系や、フラッシュカードのような記憶学習、音楽に乗せた活動などなど。
わが家もたくさんの事業所さんを見学しました。
どれが長男くんにとって一番合っているかと試行錯誤しましたが、結果的には、
・長男くんが楽しく通える
・スタッフさんが親切
・事業所として信頼できる
・送迎を含めてママパパの負担が可能な限り小さい
などを総合して決めました。
事業所さん選びは重要です。
お子さんにとって、よりよい事業所さんと出会えることを願っています。
お子さんと相性がよい事業所さんを選ぶ、これは大事です。
療育はママパパを成長させる
また、もう一つの注意点があります。
療育探しの段階で起きがちなことですが、ママパパの方の考え方には要注意です。
療育はあくまでも子どもが成長するために、その子の特性を理解して、その特性を伸ばすことを目指しています。
なので、「療育を行うことで、他の子に少しでも追いつきたい」と考えることは危険です。
障がい児育児において、わが家でも障がい受容がまだ不十分でそのような気持ちになったことは何度もあります。
療育は追いつくことを目的とせず、あくまでもその子の特性を伸ばす、という気持ちで取り組むことが大事だと思っています。
そうでないと、どんどん苦しくなっていきます。
気持ちは分かります。
でも、他の子と比べても良いことはありません。
ゆっくりとじっくりと取り組むことが肝要です。
焦らずに根気強く、寛容に、そして、笑顔で楽しくとり組めればお子さんにとってもハッピーだと思います。
最後に
療育の効果はあったのか?と質問されれば、いまなら「きっとあったと思います」と回答できます。
長男くんがそれを証明してくれています。
療育に通うことで、精神的にもママパパの負担が増えることは承知していますが、振り返ると通っててよかったと思います。
いま現在、療育に通っていらっしゃるご家庭は、無理なくがんばって欲しいと思います。
もう一つ療育の利点として、療育はママパパも成長させてくれると思います
子どもと一緒になってママパパもがんばっていく。
障がいをちょっとずつ理解していき、受け入れていく。
子どもの特性を早くから気づき伸ばしていく。
できないことよりもできることに注目していく。
療育を続けていくと、ママパパ自身も療育を受けているような気分になります。
わたし自身も知識も増え、長男くんへの理解が進み、障がい児育児について視野が広がったと思います。
本日は療育のメリットについて考えてみました。
ではでは。
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