わが家には『重度』の知的障害で自閉症スペクトラムの傾向が持つ長男くんがおります。
そして、自らの障がい児育児の経験をもとに情報発信を続けております。
最近、スマホでマンガを読んでいるのですが、そこで衝撃的な作品に出会いました。
スラムダンク以来の感動です。。。
それは…。
『ムーちゃんと手をつないで~自閉症の娘が教えてくれたこと~』
マンガだからって侮る(あなどる)こと勿れ(なかれ)です。
題材は発達障害や自閉症の子どもの育児の実態とパパママの葛藤(かっとう)、そして周囲との関わり方…。
何もかもが“あるある”で、ところどころ涙流して読んでました。。。
40過ぎたおじさんが寝ころびながら、暗闇でスマホをかざし涙腺を緩めてました。。。
作中におけるママの激しい感情の揺れに相対してのムーちゃんの笑顔がたまらん…。
そうなんですよね、親って結構思い悩んでいるんですけど、当の本人にとってはそんな心配は“我関せず”でして、その無邪気なコントラストがやっぱりリアル。
わたしは最近見つけましたが、もっと早くに読んでいたかった…。
作中のストーリーすべてが自分自身の事例に当てはまるわけではないですが、節々(ふしぶし)に思い当たる光景がフラッシュバックされ、読み進んでいくのにも体力を使う感じです。
発達障害における障がい児育児の入門書としてもよいと思いますし、味方になってもらいたい人たち(自分たちの親や友人など)への指南書としても使えますね。
もしよかったらご一読を。。。
わたしも全部を読んだわけではないのですが、以下は、個人的に刺さったシーンをご紹介。。。
パパやママが我が子の障がいを受け止められない…
懐かしいわ~(涙)っていう感じで読んでました。
このあたりって各ご家庭千差万別なんでしょうけど、皆さんどうだったでしょうか?
わが家では、「まぁ男の子は成長が遅いっていうしね☆」っていう気持ちで、スーっと過ごしていました。
そして、1才半検診で掛かりつけの小児科にて「発達センターで一度診てもらった方がいい」とアドバイスをもらったところからスイッチが入った感じです。
そのスイッチも「カチッ」って音を立てるほどの感触はなくて、聞こえるかどうか分かんなくらいの小さなものだったと思います。
でも、あのときから重心が少し傾くというか、障がい児育児の現実に視線を向け始めた感じです。
『ムーちゃん~』では、パパの方が受け止め切れなくて、葛藤する様(さま)に心打たれました。
どこまで脚色が入っているんだろうか…。
ストーリーを盛り立てるためにも、いくつかは大げさに上下に表現しているとは思いますが…。
でも、リアルでした。。。
ジージ、バーバが孫の障がいを受け止められない…
パパママがようやく現実問題として障がい児育児に向き合おうとしている最中(さなか)、自分たちの一番の理解者であって欲しいジージ、バーバがそのレベルに達していない問題。。。
それもそうですよね。。。
自分自身のことを振り返ってみても、もし我が子に障がいがなかったらと想像してみると、障がいについて今のような情報や理解を持てていたかは甚だ(はなはだ)疑問です。
今に至っても知らないことばっかりだったなと反省しきりです。。。
ということを考えれば、「孫ができた」と思っていたくらいのジージ、バーバにすぐに自分たちくらいの知識や理解を求めることの方が酷(こく)かも知れません。
パパママもジージ、バーバには味方になって欲しいがゆえになんですけどね。
このあたりもリアルだった。
翻って(ひるがえって)。
昔の子育てにおける障がい児育児って、どんな感じだったでしょうかね。
きっと思うに、社会的には結構見落とされていたというか、極端には見捨てられていた現実があったんでしょうね。
せめて、これからは少しでもよき方向に向かっていくように、自分たちの出来る範囲からがんばっていきたいです。
…。
皆さんのご家庭はどうでしたでしょうか?
わが家のケースでは、作中に表れるほどのジレンマというか軋轢(あつれき)というか、モメごとはなかったです。ありがたいことに。
でも、世間では育て方の問題にされたり、的外れな理解につながったりしているケースも多いと思います。
これはまだまだ偏見が残って正しい理解が得られていないことが要因と思われます。
せめて、身内だけには見方でいて欲しいものです。。。
周囲からの偏見との戦いと周囲への気遣いからくる心労。そして時々、周囲からの優しさ。
ほんと、コレ。
紹介すると言いながらも、もう読んでみてください、の一言。
例えば印象的なシーンをひとつ。
運動会でのリレー競技で、ムーちゃんがリレーに入っていることでチームが負けちゃうとかって、親として責任を感じるものなんです。。。
実際、コレわが家でもあったし。。。
親としては、団体競技だとみんなに迷惑かけちゃうかな~ってやっぱり感じているんです。。。
そりゃそうですよ、周りのお友だちのように一緒に踊って、並んで歩いてなんかできないですもん。。。
いわんや、リレーでトラックをちゃんと走るなんて(涙)。。。
…。
でも、ときどき優しい声を掛けてくださる方もいらっしゃるんですよね。
障がいがあるなしに関わらず、わが家の長男くんと目が合って、純粋に「ほんとにかわいい」って言ってくれるおじいさんとかいたし。。。
あのおじいさんはきっと、亡くなられたら天国にいくと思います。キレイな目と心をされてました。
もっと小さくて赤ちゃんのときって、ちょっと散歩していたら「かわいい~かわいい~」の連呼だったんですが、長男くんも5才くらいになって、独り言を連呼しながら歩いていると、そうはいかんのです。。。
エレベーターの中なんかでも、そりゃ気を遣いますよ。。。
気を遣わなくたっていいよって言われるようなときだって、やっぱり気を遣いますよ。。。
…。
そんな日々を思い返して、寝ころんでスマホを上に向けて『ムーちゃん』のページをめくりながら、うるうるしていましたよ。。。
…。
ということでおすすめです。
個人的な願望も入っていますが、こういう情報って多くの方に広がって欲しいです。
障がい児育児を行う親としてのエゴかも知れないですが、社会に理解が深まればもっと大らかな人間関係が生まれると思っています。
障がい児育児のコツは、基本的にはパパママの心の余裕だと思っています。
これ無くして障がい児育児は苦しいですよ。
定型発達の子ども以上にどうしても手が掛かるんですから。
もし、ここにプラスして社会的な心の余裕が加わればもっと素敵な社会になると思います。贅沢な話しでしょうか…。
ということで、わたしは出来る範囲の啓もう活動として『ムーちゃんと手をつないで~自閉症の娘が教えてくれたこと~』を全力でおすすめしたいと思います。ではでは。
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