みなさま、『FIRE』ってご存じでしょうか?
FIREとは「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」の頭文字でその界隈(かいわい)では大変賑わっていますね。
FIREとは?
伊予銀行さんのHPより引用。え!もう地銀さんでも取り上げられるくらいの知名度なのFIERって…。今注目のFIREとは?アーリーリタイアのメリット・デメリットをまるっと解説
近年話題になっている、早期リタイアのことです。読み方は「ファイア」ですが「火」という意味ではなく、「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」の頭文字になります。FIREはアメリカ発祥のムーブメントですが、最近では日本でも目標にする人が増加しています。
早期リタイアといってもいろんなパターンがあるみたいで、やっぱり完全リタイアっていうよりは、『サイドFIRE』なるセミリタイアのような形で、金融資産などから一定の収入を得つつ、ちょっとだけ仕事をするみたいなスタイルが現実的なようです。
完全ではないけれども、経済的自立を目指して、やりたくない仕事はやらない!っていう考え方がウケているポイントでしょうか。
だから、FIRE後は本当に自分がやりたいことを仕事にする、フルタイムでの仕事はやめて趣味や家庭・育児重視の生活スタイルが可能な働き方にシフトする、っていうのが王道のようです。
…。
そう聞くとFIREって良さそうですね。
いまの仕事がイヤなんだったらだったらいつでも辞められるっていう選択肢を持てる、っていうのは魅力的に映りますね。特にいまのわたしにとっては。。。
前回(障がい児育児と仕事との両立…で思うこと。(上司に相談後 編))、職場でのグチをぐちぐちと述べてしまいましたが、こういったときに何もする術(すべ)がないというのはツラいですね。
なので。。。
実はわたしも狙っているのですよ。。。
FIREを。。。
障がい児育児とFIREの両立は可能か?
一般的にFIREを目指すにあたって、子どもがいる場合には条件的に“不利”になります。
単純な話で、子どもを育てていくためのお金、特に「教育費」に結構なお金が掛かるからです。
公立・私立や大学進学する/しないで結構な幅がありますが、だいたい子ども一人を育てるのに2000万円くらい掛かる、というのは当たらずとも遠からずで子育て世帯のコンセンサスだと思います。
※実は、「あたらずともとおからず」は、『当たらずと雖も(いえども)遠からず』が正しい用法のようです。知らんかった…。中国、戦国時代の思想書『大学』の一節らしいです。。。
なお、念のためのお断りですが、ここではお金に関わる計算の話をしているだけです。子どもがいる/いないということがFIREにとってどういう影響を与えるのかという議論です。当然ながら、子どもの有無の良し悪しを言っているわけではございませんので。
…。
ということで、ちょっと憧れるけど、わが家でもFIREってできるのだろうか。。。
気になりますね。
前回のように長男くんの事情も考えると、仕事は緩めでもっと育児に比重を置きたいと思ったときに、わたしはそのような選択をとることができるのでしょうか。。。
…。
その昔にも書きましたが(障がい児育児の二本柱…で思うこと。【後編】)、長男くんの将来のことを思うと少しでも多くの資産を残して置きたいんです。
そのためには、いまの仕事をしっかりと続けることが重要です。
いや、むしろいまの仕事を定年までしっかりと勤め上げることで“金銭的な余裕”の確保はある程度実現できそうです。。。
だったら、仕事がんばれよ、という声が聞こえてきそうです。
はい、確かにそうですね。。。
でも、前回のように嫌な上司がいる職場でも頑張らなくてはならないって…ちょっとわたし無理(涙)。
…。
わが家には長男くんだけでなく、長女ちゃん(長女ちゃんはいわゆる定型発達)もいます!
長女ちゃん、ざっくり2000万円掛かりまーす!って言われて、FIREとか言ってて大丈夫でしょうか。
障がい児育児の問題と長女ちゃんの育児の問題は別で考えなくてはならず(いや、一緒になって考えなくてはならず??)、長女ちゃんの教育費もしっかりと準備していく必要があります。
※教育費って言うと、大学進学の話も絡んできますが、長女ちゃんは、長女ちゃんの本当にやりたいことが見つかるといいです。とにかく元気に育ってくれればそれでよし、とパパは思うばかりです。
…。
次にFIREの前に立ちはだかるは、自分たちの老後資金問題です。。。
老後2000万円問題って聞きますよね。。。
それについても以前書いてました(『老後2000万円問題』がわが家に教えてくれた、たった一つのこと…で思うこと。)。
障がい児育の悩みを抱えながら、さらに自分たちの老後のことまで。。。
お金の悩みって尽きないですね。。。
…。
さて。
そんなこんなな状況ですが、障がい児育児とFIREの両立は可能なのでしょうか。。。
「FIREとか言わんと、しっかり働き続けなはれ」と言われてしまいそうですが、将来のためにも“いま現在”を大切にすることも同様に重要です。
ムリは続かないと思っています。
ムリはいつかどこかで破綻します。
さてさて。
どうしたものか。。。
できることならFIREしてしまって、嫌な仕事とは距離を置きつつ、全力で長男くんと長女ちゃんと戯れ(たわむれ)たい。。。
そんなことできるんでしょうか。。。
…。
結論からいうと、障がい児育児を抱えながらでもFIREを実現するのは不可能ではないようなんです。。。
自分でもどうやって計算したしたらいいのか、途方に暮れてたのですが、なんとFIREシミュレーションをしてくれる最強のツールを見つけてしまいました。。。
FIREプランニングにおけるシミュレーションツールの決定版!?
ふと、YouTubeのオススメ動画きっかけで見つけてしまいました。
その名も『【ふくわら式】FIREシミュレータ|FIRE計算ツール』。
なんと。
「ふくわらさん」という方が、FIREを目指すための計算ツールを作ってくれていたのです。
わが家でもこれまでFPさんに家計診断をしてもらったりしてきましたが、こちらのツールが圧倒的に優秀です。
本当にありがとうございます、ですm(_ _)m
FPさんにお任せすると、シミュレーション結果はもらえますが紙ベースであることが多く一過性です。
『ふくわら式』はエクセルデータなので、自分でアレコレと条件変更ができるんです。
これすごく助かります。
別にFIREを目指さなくても、通常のライフプランニングのためにやっても面白いと思います。
…。
『ふくわら式』は無料版と製品版(有料版;4,980円※2022年3月時点)があります。
まずは、無料版でやってみたらよいと思います。
製品版だともっと詳しく条件設定ができるので、本格的に調べてみたい人は買ってみてよいと思います。
※無料版と製品版(有料版)の違いは、無料版だと「支出」「継続的支出」「金融資産」の項目がサンプル値で固定されていて変更ができず、製品版(有料版)はそれを自分で自由にカスタマイズできるという点です。無料版はお試し版ですね。やはり「支出」も「金融資産」も各家庭ごとに異なるので、本格的にFIREを検討する際には製品版を購入してよいと思います(わたしも製品版を購入しました)。いずれにせよ、無料版でどんな感じかを確認してから製品版を購入することをオススメします。
さて。
FIREシミュレーションに限らず、人生プランにおけるお金の計算って結構めんどくさいし、なかなか難しいんです。
だから、保険屋さんとか不動産屋さん付きのFPさんに診断してもらって、そのまま安易に保険や不動産を買ってしまうんだと思います(それはそれで良い面もあるかも知れませんが)。
『ふくわら式』の凄いところ
『ふくわら式』のシミュレーションは、いわゆる一般的なライフプランの設計もできるので、ある意味FIREする/しないに関係なく有用です。ただ、真に凄いところは、FIERを目指すにあたって「何歳までがんばればOK」という指標を示してくれることです。
いま現実的にツライと感じている方には希望にすら映ります。
思い返せば、YouTubeのAIもその文脈でわたしにオススメしてきたのでしょうか…。恐るべしですね。。。
…。
さて。
『ふくわら式』では、FIRE達成年齢とともに、「キャッシュフロー表」なる年齢ごとの明細も出してくれるのでこれもタメになります。実際に家計がどのようなキャッシュフローで進んでいくのかが数字で見えます。
単にエクセル上の計算式と言えばそれまでですが、少なくともわたしにはここまで精緻に式を組むのは難しいです。。。
『ふくわら式』の難点
基本的には不満のないツールです。
自分ではムリなことをやってくれているツールにダメ出しをする気持ちはないのですが、一応気になった点を記しておきます。
老後の年金計算は、勤続年数と勤続時の収入に依存するので、事前の条件設定がむずい
この対処法としては、まずはざっくりした条件を見積してみて、出てきたFIRE年齢を参考値として勤続年数を決めてしまうというものです。
それをもとに年金額を算出するというもの。
まぁざっくりですが、それでも十分にシミュレーションできると思います。わたしはそうしました。
子どもの生活費を割り出すのがむずい
『ふくわら式』では生活費を大人と子どもとで分けて計算します。ここがちょっとだけクセがあるところかも知れません。
ただし、ここできちんと分けることで子どもが独立した後のシミュレーションをより精緻にしてくれることにつながるので、ちゃんと分けて考える必要があります。
『ふくわら式』には解説動画などもあるので、そこで趣旨を確認いただければと思いますが、子どもの生活費(正確には教育費と生活費)については各年代別での参考値が用意されているので、それを利用すればよいと思います。長男くんの教育費というのは未知数ですが、とりあえずわたしはそう参考値を使って試算しました。
資産運用は右肩上がりの増加が前提のシミュレーションとなっている
ただし、現実は常に右肩上がりではないので現実との乖離(かいり)が生まれてくる。。。
でも、これは仕方がないかな、とは思っています。
『ふくわら式』は、運用利回り自体は任意で設定が可能ですが、計算上は利率が一定となるので資産運用は右肩上がりになります。なので、可能な限り早いタイミングで余剰資金を運用に回すことで、FIRE年齢が早まることになります。
一括投資が前提での方針のご家庭には適しているかも知れませんが、わが家では積立投資を主力にしているので、その点ズレが出てしまいます。
ただし、これは「FIREしたければ、余剰資金は早よ運用に回せよ」ということの裏返しかも知れません。。。
その意味では、わが家も『ふくわら式』で洗いざらい家庭の資産を書き出してみて、
- 意外と投資に回せるお金が眠っていたこと(→単純に余剰のまま寝かせておくのはもったいない)
- 意外と円建て資産の割合が多かったこと(→もっとS&P500連動のインデックス投資信託に回しても良い)
があり、新たな気づきを得ることはできました。
わが家のFIREシミュレーション結果…。
なお、参考までにわが家のFIRE達成年齢は“48歳”でした。
「あと10年がんばれ!」はちょっとしんどいけど、「あと5年でいいよ」というところまでは甘くない…。
いい塩梅(あんばい)ですかね。。。
もうちょっと条件を詰めないといけないところは残っていますが、「あと8年」という感じのようです。
具体的なシミュレーション結果については、機会をみてご紹介しようかと思っていますが、障がい児育児とFIREの両立は一応計算上では可能であることが分かって嬉しかったです。
長男くんの将来については、やはり変動要素も多く計算すること自体が難しいと思っていました。
しかし、『ふくわら式』を活用する過程で、先述の未知なる変動要素が長男くんの今後の各年齢における「必要支出」という数字に置き換わり、ある意味割り切って整理することができました。
確かにその「必要支出」がいくらなのかという問題が難しいのですが、だいたいの目安の数字は置けると思います。違っていれば修正すればよいだけだと思います。
可能な限り多くの資産を残してあげたい、という親の願望がありつつも、一体いくらあれば大丈夫なのかという不安も共存しています。
…。
「がんばって稼ぐ。そして投資に回す。」というのは考えでわが家はスタートしました。
でも、FIREできるのであればFIREしたいです。
仕事はホドホドで長男くんのサポートに多くの時間を使いたいです(もちろん、長女ちゃんとの時間も大切ですよ)。
心の余裕を持って日々を過ごしたいな…と。
…。
※やや身も蓋(ふた)もない話ですが、仕事が楽しくやれていれば辞めることを前提にしなくていいので、もっと楽しく働きたいですね。そうできるようにまずは自分の対応範囲内で動くしかないですね。
今回は“FIRE”という流行り言葉に乗っかったテーマでしたが、自分もFIREできなくはないということが分かって嬉しかったのも事実です。
そして、副次的ではありますがママともFIREについて、改めて話し合うことができたこともよかったです。
ママパパの共通認識が増えたイメージです。
ママパパが一緒の目標に向かって進むことができれば、それだけで心強いですからね。。。
では。
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