きょうだい児問題…で思うこと。

育児

長女ちゃんのケア。むかしむかしあるところに悩める長女ちゃんがいました。

むかしむかし、あるところに、それはそれはカワイイ長女ちゃんいました。

その長女ちゃんには、それはそれは手のかかる弟くんがおり、やさしくて面倒見のよい長女ちゃんは、いつも手をつないで、いつも一緒に遊んで、そして、いつもパパとママのお手伝いをしてくれていました。

でも、ある時、いつも笑顔の長女ちゃんが、悲しい顔をしています。

気になったパパが、声をかけてみると、長女ちゃんは黙っています。

さらに心配になったパパは長女ちゃんに言います。『どうしたの?長女ちゃん、体調でもわるいの?』。

長女ちゃんは首をふります。

パパはとなりに座ります。

しばらくすると、少しなみだ目の長女ちゃんは、ポツリポツリとしゃべりはじめました。

『あのね、長男くんはね、しゃべることとか、ゴハンを食べることとか、お着替えすることとか、おトイレに行くこととか、なんでも一人でできないでしょ。他の保育園のお友だちはみんなできるようになっているのに。そして、いつもいたずらばかりして、パパやママを困らせて大変でしょ…。わたしね、長男くんがこのままで大丈夫なのかなって、不安な気持ちになっちゃって…。』

パパは言葉につまりましたとさ。

そんなに遠くない昔の、わが家のお話でしたとさ。

わが家には、いわゆる健常者である長女ちゃん(姉)と自閉症スペクトラムの傾向あり&軽度の知的障がいがある長男くん(弟)がいます。

ずっと家の中にいて、長男くんがいつもどおり何もできない様子だけ見ていれば、それがあたり前なのかも知れませんが、長女ちゃんも小学校に通い始め、家庭とは離れた社会生活から情報を得るようになります。また、成長に伴って家でのパパとママの会話の内容も、子どもながらに理解をし始めます。

わが家では、特に気にすることなく長女ちゃんが奥のソファーで座ってテレビを観ているところで、長男くんのお悩み相談を夫婦間でしていました。そんなときにパパやママから出てくる不安な言葉も、長女ちゃんは子どもながらに感じとっていたのでしょう。

ママと一緒に、長男くんのお迎えで保育園に行けば、周りの同い年の子どもたちと長男くんの様子が違うのはわかってくるでしょう。

長女ちゃんからすれば、わが家の日常生活をどう表現すればいいのかわからないものの、パパやママは長男くんのことでいつも大変そうで、長男くんが何かやらかすと注意して、長女ちゃんとゲームをしてても長男くんのことで中断することもしばしば…。長女ちゃん自身も、長男くんに手を引っ張られたり、大事なものに落書きされたりと困ってしまうこともしばしば…。

長女ちゃんがテレビを観ていても、長男くんが泣きだしたり癇癪(かんしゃく)を起こしたりすると、長男くんをなだめるためにテレビをアンパンマンに切り替えなくてはいけなくなったり。。。

食べたいお菓子も、長男くんがいる前では遠慮しなくてはいけないし、遊びに行くところも長男くんが遊べそうな場所を選ばなくちゃいけなかったり。。。

うすうす気づいてはいましたが、わが家ではなんでもかんでも、長男くんが優先される状況となっていました。

『長男くんファースト』は、『長女ちゃんセカンド』。

言い訳をすると、もちろん、長女ちゃんをないがしろにしていたつもりはないんです。

パパママからの言い分では、長男くんと同じように、いや、それ以上に長女ちゃんを大事にして、愛情を注いでいます。

でも、長女ちゃん、長男くんが一緒に同じ場所にいるとき、無意識に長男くんを優先的にケアをしがちだったのは事実です。

自分で自分のことができる長女ちゃんは後回しになっていたり、ときには長女ちゃんに長男くんの面倒をお願いしていたり。。。

長男くんはちょっとしたことで誉められているのに、長女ちゃんはちゃんとしていないと注意されていたり。。。

長男くんのいたずらは、仕方がないねと許されているけど、長女ちゃんの不注意は怒られていたり。。。

通常の兄弟・姉妹の環境でも似たようなことは起きているのだろうと思いますが、わが家の長男くんの子育ての場合には、ややあからさまにそのようなことが起きていたのだ思います(いまさらながら長女ちゃん、ごめんね)。

長男くんの子育ての大変さが、結果的に長女ちゃんにしわ寄せがいってしまっていました。

本当に反省です。

パパママからの言い分では、『そんなつもりはない』ということなのですが、長女ちゃんはまだ小さいので自分できちんとパパやママに不平不満を伝えることができなかったりするので、パパママの方が気をつける必要があります。

わが家での対策。

きょうだい児問題、という問題があるのですね。これも、療育と並んで初めて聞いた言葉でした。確かに、考えさせられる問題です。似たような境遇のご家庭ではどうされているのでしょうかね。

「きょうだい児」とは、障害のある子どもの兄弟姉妹のこと。(中略)障害のある子の兄弟姉妹のことを「きょうだい児」と呼びます。きょうだい児には、「障害のある子に手がかかるため親に甘えられない」「きょうだいのことでいじめられる」など、独特の悩みがあります。

DIAMOND onlineさんの「障害者の兄弟姉妹「きょうだい児」、社会に見過ごされてきた生きづらさ」より引用

兄弟・姉妹における、“年上の子、あとにされがち”問題は一般的にあるあるですが、きょうだい児問題も当事者のご家庭ではあるあるですよね。

わが家では、長男くんのことで手がいっぱいで、しっかり者の長女ちゃんのことは正直そこまでケアできていませんでした(ごめんね、長女ちゃん)。

本来、長男くんのことを考えることと、長女ちゃんのことを考えることとは、同一次元の問題であり切っても切り離せない関係のはずです。

お利口さん(おりこうさん)の長女ちゃんに対して、手がかからないから助かる~、なんでも自分でできるからお任せする~では、当然ながらダメだと思うのです。

全然手が回っていなかったクセに申し訳ございません。自戒の念を込めて今後は気をつけていきます。

気をつけるだけだと、すぐに元に戻ってしまうので、わが家では対策として夫婦で改めてルールを決めました。

  • 長女ちゃんも積極的に褒める。できてあたり前と思わない。
  • 長男くんのサポートについて、これまでどおり長女ちゃんの助けに頼ることもする。無理のない範囲で長女ちゃんの厚意に甘えることとする。「長女ちゃ~~ん、お願いぃぃ~~。」と、大げさにお願いするとまんざらでもなさそうです。
  • 将来については、長男くんと長女ちゃんに同じだけのことをしてあげたい。これは、長男くんの将来を考えたときに決めました。このことは、わが家の資産運用の考えにも取り入れています。
  • 長女ちゃんには特別なご褒美DAYなどをつくる。ママと長女ちゃんの二人で出かける機会などの積極的につくるなど。

夫婦でお互い言葉にして確認したものもあれば、なんとなくそういうルールに落ち着いているというものもあります。

悩みはつきません。試行錯誤の日々。。。

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