わが家には重度の知的障害で自閉症スペクトラムの傾向がある長男くんがいます。
そして、長男くんのお姉ちゃんにあたる健常児の長女ちゃんもいます。
今日は、長女ちゃんのことについて書いてみたいと思います。
わたしが言うのも何なのですが、長女ちゃんは本当に優しいお姉ちゃんで、本当にできた子です。
障がいのある弟(=長男くん)に対しても面倒見がよく、手が掛かる障がい児育児においても大変助かっています。
ただ、長女ちゃんなりに、いろいろと気を遣っているようで、その点は親としても申し訳ない気持ちではあります。
しかし、日ごろから長女ちゃんにも伝えてはいますが、長女ちゃんは長女ちゃんとしての人生をしっかりと歩んでいって欲しいと思っていますし、長男くんが長女ちゃんにとって“足かせ”のようにならないように、親として精一杯の環境整備はやっていきたいと思っています。
きょうだい児問題
きょうだい児問題について、これまでもこのブログで取り上げてきましたが、改めてのおさらいです(ChatGPTより引用)。
「きょうだい児問題」というのは、障がいのある子ども(=きょうだい)の兄弟姉妹が直面する心理的・社会的な課題や負担のことを指します。
障がいのある子を育てる家庭では、その子への支援や配慮が中心になりやすいため、きょうだい児は知らず知らずのうちに特有の立場や役割を担うことが多いです。その中で生じる課題が「きょうだい児問題」として語られます。
主な課題
- 親の関心を得にくい
- 障がいのある子へのケアに時間やエネルギーが割かれるため、きょうだい児が「自分は後回しにされている」と感じることがある。
- 過度な役割期待
- 小さいころから「しっかりしなければ」「弟・妹の面倒を見なければ」とプレッシャーを抱きやすい。
- 将来「親亡き後は自分が面倒をみなければ」と考えざるを得ないケースも多い。
- 孤独感・疎外感
- 周囲の友達に相談しにくい、家庭の事情を理解してもらえないなどから、孤独を感じることがある。
- 進路や人生設計への影響
- 就職や結婚など、自分の将来を考える際に「きょうだいの存在」をどう折り込むかで悩みや制約を受ける場合がある。
- 偏見やからかいの経験
- 学校や社会で「障がいのある子の兄弟」というレッテルを貼られたり、いじめの対象になることがある。
(障がいのある)長男くんのことも大事です。
それと同じくらい長女ちゃんのことも大事です。
そして、同様に「大事だよ」ということを言葉にして、きょうだい児である長女ちゃんにも伝えていくことが重要だと思っています。
わが家では可能な限りそれを実践できるようにがんばっているつもりです。
例えば、長女ちゃんをケアできるようにママパパで話し合って、積極的に長女ちゃんDAYを設けるようにして一緒にお昼ゴハンに行く日を作ってみたり、最近ではママと長女ちゃんとでお買い物や映画に行けるように調整をしています。
ちょっとでも「長女ちゃんファースト」な時間を確保したいと考えています。
それに、長女ちゃんからも何か気になることがあれば、遠慮なく言ってもらえるような環境に気を配っているつもりではあります。。。
…。
でも、本当の意味で長女ちゃんがどう思っているのか?何か負担を感じていないか?そんなことが気になってもいます。
障がい児育児において、きょうだい(兄弟姉妹)がいてくれることは大変心強い存在ではありますが、そのきょうだい特有の問題については決して見逃してならないことだと思っています。
わが家も気をつけたいと思います。
長女ちゃんの優しさ
そろそろお年頃な年代にもなり、いろいろと気掛かりなこともある長女ちゃんではありますが、時には想像もつかないようなたくましさや優しさを見せてくれることがあります。
今回は、わたしが常日頃から感謝している長女ちゃんの素晴らしさを親バカとして紹介させてもらいます。
…。
長女ちゃんの日ごろの優しさが垣間見られることとして、長男くんへの挨拶があります。
例えば、放課後等デイサービスから帰ってきた長男くんには、いつも「おかえりー」と声を掛けてくれます。
これが親として、毎回嬉しい。
朝も長男くんが起きてリビングに行くと、長女ちゃんが「おはよー」と声を掛けてくれます。
これもたまらなく嬉しい。
こういう姿をみると、長女ちゃんは本当に心が優しい子に育ってくれているなぁと感心してしまいます(親バカですみません…)。
単純に挨拶をしてくれていること自体が嬉しいというのもありますが、なぜかそれ以上の感情でその様子を見てしまいます。
なぜか。
長女ちゃんが長男くんに挨拶をした時、長男くんからは返事がないんです。
長女ちゃんからは「おかえりー」とか「おはよー」とか毎回声を掛けていますが、長男くんからは返事がないんです。
その状況だけをみると、長男くんは完全にノーリアクションです。
(もちろん長男くんに悪気があるわけではないのですが、まだ挨拶でお返事をするのが難しいのです)
それでもなお、長女ちゃんは継続して挨拶を続けられていることに、親としては特別な感情を抱いてしまいます。
長男くんからは何の反応がなくても長女ちゃんは当たり前のように挨拶を続けてくれる。。。
ママパパならば、子どもへの愛情として無償でも続けられると思いますが、きょうだい(姉弟)の間でこれをずっとやり続けられるって、きっと根気がいることなんだろうと思います。
だから、この挨拶のことを切り取ってみても、長女ちゃんは本当に優しい性格の持ち主だなぁと感じる次第です。
こういう子に育ってくれて、ホントそれだけでも嬉しい。
いつか長男くんからもお返事ができるようになって、挨拶のやりとりができる姿が見られるといいな~。
きょうだい児問題はネガティブなことだけじゃない
先述のChatGPTの引用には続きがありました。
一方で、きょうだい児の「強み」
ただし、きょうだい児がすべてネガティブな影響だけを受けるわけではありません。
- 思いやりや共感力が育ちやすい
- 多様性を受け入れる力が身につく
- 責任感や自立心が強まる
といったポジティブな側面も報告されています。
長女ちゃんが長男くんと接する姿を見ていて、確かにネガティブなことだけじゃないなと思うことはあります。
でも、やっぱり親としては長女ちゃんに積極的に上述の「強み」を求めてしまってはいけないと思っています。
あくまでも自主的に、少々の葛藤はありつつも自然と「強み」となってくれるのであれば、こんなに嬉しいことはありません。
最後に
以前のブログ(きょうだい児問題…で思うこと。)に、「『長男くんファースト』は、『長女ちゃんセカンド』」ということを書かせてもらいました。
本当はファーストもセカンドもないです。
どっちも大事です。
…。
どっちも大事なのは分かっているのですが、手が掛かってしまうのは、どうしても長男くんになってしまいます。
長女ちゃんも成長して大きくなると、ある意味で聞き分けが良くなり、その状況を認識して自分で理解するようになり、自分から自然と『セカンド』の方に動いてくれるようになっている気がします。
でも、これは本来良い状況では無さそうです。
ママパパはそのような長女ちゃんの行動に甘えてしまってはいけないような気がするんです。
長女ちゃんの優しさには感謝しつつも、長女ちゃんも『ファースト』に持ってこられるようにがんばりたいと思います。
…。
いずれにせよ、長女ちゃんが優しい子に成長してくれていることに感謝です。
ではでは。
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