わが家には重度の知的障害で自閉症スペクトラムの傾向がある長男くんがいます。
そして、定型発達でいわゆる健常児の長女ちゃんがいます。
長女ちゃんが姉で、長男くんが弟です。
長女ちゃんが小学生の高学年で、長男くんが低学年です。
二人ともいつまでもかわいいです。
さて、“きょうだい児問題”については、以前のブログ(きょうだい児問題…で思うこと。)で紹介したのですが、最近になってそのときとはまた違う意味で考えさせられたことがあったので書いておこうと思います。
きょうだい児の問題も子どもの年齢に従って変わってくるのだなぁというお話です。
きょうだい児問題とは
そもそも、きょうだい児とはということで「みんなの障がい」さんのウェブサイトから引用させてもらうと、、、
きょうだい児とは、きょうだいが障害者である人のことを指します。きょうだい児自身は健常者であるため、障害をもつ兄弟の世話をしなくてはいけなかったり、親が障害をもつ兄弟ばかりに構うため、本人は孤独感や自己肯定感の低さに悩まされたりします。きょうだい児の数は、全体にされた正式なデータはないため、推定になりますが、664万人前後といわれています。つまり人口のおよそ5%以上が「きょうだい児」と推測されます。
とあります。
きょうだいに障がいを持つ者がいることで、
・周囲の目を気にするといったことで人間関係に影響があったりすること
・自分の感情を出すことがうまくできなかったりすること
・褒められる機会が相対的に少なく、自分に自信を持てなかったりすること(自信を失いやすかったりすること)
・自身の恋愛や結婚、仕事に支障が出てしまったりすること
などがあるようです。
今回はわが家に関する障がい児育児を中心に話していますが、最近だとヤングケアラーの文脈できょうだい児の問題が取り上げられることも多いようです。
当事者でないと分からないツラさや大変さがあり、根が深い問題でもあります。
新たに気づかされたきょうだい児問題
わが家のケースでは上述のブログのように、、、
・長男くんに手が掛かってばっかりで、長女ちゃんのケアが手薄になっていたり
・長男くんへは加点法で、長女ちゃんへは減点法のアプローチになっていたり
・長男くんを優先して、長女ちゃんは後回しにしていたり
といったことを反省していました。。。
そのことを踏まえて、長女ちゃんのことも長男くんと同じように大切にするということでママパパで話し合って対応を決めました。
当然のことながら、長女ちゃんの言動はあたり前ではなく、それはそれできちんと尊重しています。
積極的にありがとうを伝えたり、上手くいったことについてはすごいねと声を掛けたりとしています。
また、長女ちゃんのわがままに応えられるように、可能な範囲で長女ちゃんの“ご要望”について応えるようにしています。
…。
まぁ、何とかできることママパパでやっているという感じだったのですが、とある週末の夕食後にママパパで長男くんの将来について会話していたときのこと(長男くんはすでに寝室)。。。
そのときは、特に深刻な話し合いをしていたわけではないのですが、夫婦で自分たちの老後というか親亡き後のことを何気なく想像して話しておりました。
障がい児を持つ親としては自分たちの居なくなった後のことは本当に悩みが尽きません。
ママパパも40代でまだまだ先のことと思いながらも、いつかは訪れる深刻な問題です。
将来的には長男くんはどこに住んでどんな生活をしていくのだろうか…。
そんな会話をしていたと思います。
そんなときに少し離れてリビングのソファに居た長女ちゃんが間に入ってきて伝えてきてくれたんです。。。
『やっぱりいつかはママやパパの方が先にお空に行っちゃうから(死んじゃうから)、そうしたら○○くん(長男くん)はわたしが面倒を見ていかないといけないのかなぁって思ってたの』と。。。
…。
ママパパは驚くとともに感動しましたよね。。。
…。
と同時にまだ小学生なのにそんなことを思わせてしまっていたのかと申し訳ない気持ちにもなりました。
反省です…。
われわれ夫婦の前提として、長男くんのことで長女ちゃんには絶対に迷惑を掛けない!と決めておりました。
これはその日のずっと前から当たり前のこととして、いつも話し合っていたものでした。
だから、その日も長男くんの将来を考えるにあたって、長女ちゃんに面倒を見てもらうような設定にはしていなかったですし、そんなことはまったく会話に登場していません。。。
でも、振り返ってみれば、親は自分たちだけで共通認識を持ちながら話を進めて、長女ちゃんに伝えたことはなかったのでした。
気持ちのどこかで長女ちゃんには、まだ小学生だし今話してもまだ実感もなく分からないかなぁ、と考えていました。
だから、いつかタイミングがきたらきちんとお話しようと。
…。
そんなときに長女ちゃんが『親亡き後は自分ががんばらなくちゃと思っていた』と教えてくれたのです。
めちゃめちゃ反省しました。。。
もっと早くに長女ちゃんを交えて、みんなで将来のことを話し合うような時間を持つべきでした。
モノゴコロついたときから長女ちゃんは長女ちゃんなりに、長男くんのことで何とも言えないプレッシャーを感じてしまっていたようです。
親としてはそんなつもりはないのですが、長女ちゃんが実際に感じてしまっていたが事実であり、気づいていなかった問題だったのです。
本当に反省です。
長女ちゃんへの反省と感謝
この事件(?)を踏まえて新たな対策を考えました。
まずは、せっかくの機会だったのでその場で長女ちゃんに将来的なことについてきちんと説明をしました。
そして、ママパパの希望として長男くんの障がいがあることが長女ちゃんの重荷とならないようにして欲しいことを伝えました。
また、長男くんの将来のことはママパパがちゃんと準備を始めているので安心して欲しいことも一緒に伝えました。
長女ちゃんは長女ちゃんとして長男くんに関係なく自由でいて欲しい。。。
だから、長女ちゃんはどこに住んでもいいし、どんな仕事に就いてもいいし、何をやっててもいいと。。。
そうなるようにママパパはがんばると。。。
…。
長女ちゃんも具体的に何をしなくちゃいけないと考えていたわけではないと思いますが、何かしら“面倒を見ていく”という責任感を持っていたようです。
親としてそんな思いをさせてしまっていたことに反省をするとともに、素直に長女ちゃんには感謝の気持ちも伝えました。
長女ちゃんが家族として長男くんを心配してくれていたことは事実で、これ自体は本当に嬉しかったです。
思いがけないタイミングではありましたが、その日はきょうだい児の問題について長女ちゃんにきちんとお話をできる機会が持てて本当によかったと思います。
わが家の対策(長男くんのこと)
ちょっとだけわが家の対策についてです。
長男くんの将来への対策としては、まずは資産運用です。
これはまたどこかでお話できればと思いますが、せめて金銭的な面では苦労させないようにちゃんと運用して準備しています。
なので、お金の面で長女ちゃんに面倒を見てもらうことは一切想定しておりません。
※ただし、お金があってもお金の使い方や使う仕組みについては、長女ちゃんの助けを借りる必要がでてくるかも知れません。その点については先ほどのタイミングで長女ちゃんにも協力をお願いしました。でもあくまでもお願いベースです。
住まいや就労の対策としては、正直これからの障がい福祉サービスが今後どのようになっていくのかということに大きく依存してしまいそうです。
就労や住まいのことなど、そのときどきで選択肢が変わってきそうです。
漠然とではありますが、高校までは特別支援学校に通ってその後は「就労継続支援B型」か「生活介護」のお世話になり、ある程度親が元気なうちから「グループホーム」のような場所で親から離れて自立した生活の場を築いてもらうようなことをイメージしております。
まだまだ全然ざっくりです。。。
ただし、障がい福祉の情報についてはその動向を可能な限りウォッチできるように情報収集は続けています。
親の会つながりで「手をつなぐ」(全国手をつなぐ育成会連合会さんが発行)を毎月購読しています。
その他気になった本なども買って読むようにしています。
日々勉強ですね。。。
※さらに本当は、これにプラスして相談できる仲間ができれば嬉しいのですが、こっちの方はまだ道半ば…。いつか気軽に相談できる方が見つかることを願っています。
わが家の対策(長女ちゃん)
次に長女ちゃんに対する対策です。
以前にもちゃんと長女ちゃんをケアしていこう、と掛け声的に対策をとっていたのですが、上記のことをきっかけにアップデートしなくてはです。
そこで、土曜日は「長女ちゃんの日」と位置付けるようにしました。
ありがたいことに、放課後等デイサービスのおかけで休日にも関わらず土曜日も長男くんを預かってもらっています。
これはかなり助かっています。
長男くんも楽しそうに通っていますし、朝から夕方まで長男くんがいない「ママ・パパ・長女ちゃん」の3人だけの時間を持つという環境も作ることができています。
土曜日が自由時間となり、主に長女ちゃんが食べたいものをお昼ゴハンで食べに行くということをやっています。
ママと長女ちゃんの2人で行くことも多いです。
長女ちゃんも小学生ながら“お年頃”のようでいろいろとあるようです。
そのあたりのことはパパではケアできないです(よく、ママに指導を受けます…)。
ということで、女の子同士で仲良くランチに行ったりお買い物に行ったりしています。
ママ、助かるわ~、ありがとう。。。
最近はニンテンドースイッチの桃鉄(桃太郎電鉄)を買って一緒にゲームをしたりして、これはこれで本当に幸せな時間です。
正直、お金は掛かるようになりましたが、これは大事なことと割り切っています。
こんな素敵な時間のためにがんばって働いているのですから。。。
長女ちゃんとの時間をつくり、たくさん会話をする。
こんな対策しか思いつかないのですが、長女ちゃんにとってもよい時間となっていてくれたらと思うばかりです。
最後に
きょうだいがいることで有難いと思う反面、きょうだいならではの問題もあるんですよね。
そして、それはきょうだいの年齢や環境によっても変化していくんですよね。
わが家は長女ちゃんからの一言によってそれに気づかされました。
まだまだ道半ばですが、長男くんだけでなく長女ちゃんも含めてみんなで幸せになれるように引き続きがんばりたいと思います。
ではでは。
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