わが家には重度の知的障害で自閉症スペクトラムの傾向がある長男くんがいます。
日々、悪戦苦闘(あくせんくとう)です。
今週はママと長女ちゃんの二人だけでママ実家に帰省していったので、パパと長男くんの二人きりでお留守番です。。。
約4日間ですが、ここまでママと離れ離れで過ごすことは初めてかも知れません。
ママや長女ちゃんがいなくなって泣き出すかも知れないと心配ではありましたが、意外にも平気です。。。
いや、むしろ元気です。。。
いなくなったことに気づいているのでしょうか…。
※【追記】4日目の夜に、ついに「ママー、ママー」と思い出したかのように泣いてしまいました。。。やっぱり寂しかったのですね。
いまも横で塩せんべいを勢いよく食べています。
いつものように塩せんべいの塩を指につけて、指をペロペロして塩を摂取しています。。。
それなら、せんべいから直接塩を取り込んで欲しいのですが…。
しかし、これが長男くんのお気に入りスタイルです。。。
指がベタベタしてますし、食後の散らかり具合がひどいです。。。
しかも二次被害として、そのままの指や手で家の中のものを平気で触っていきます。。。
…。
この食べ方は本当にやめてもらいたいです…。
しかし、やめてくれないのです(涙)
どげんかしてくれんといかんのですが、どげんもしようがなかとです(和訳:どうにかして欲しいのですが、どうしようもないのです。大自然とはそういうものなのです)。
そうこうしているうちに完食し、さっそくおかわりを要求してきました。。。
長男くん、たくましいです。。。
それと同時にかわいいので、仕方なくまたおせんべいを献上してしまうのです。。。
…。
以前はやはりこの食べ方も、ベタベタな手も指も、エンドレスなおかわりもイライラの対象でした。
だから、スーパーに行ってもおせんべいは買わないようにすることで対処していました。
根元から絶つ。。。
家におせんべいがなければ長男くんも食べようがないからです。
どうか参ったか、長男くんよ。ほほほ。
…。
さて。
こういった経験からでも振り返れば考えさせられます。
いま、まさにわたしの横でご機嫌にパリパリ、ペロペロなおせんべいタイムの長男くんをみて、昔のようなイライラはないです。
心地よいとまでは言いませんし、その手でソファーを触ってもいいよとも思いません。。。
欲を言えば、指でつまんだおせんべいはそのまま召し上がっていただきたいです…。
正直そう思います。
さらに食後はその手でドアノブは触らないでと思います。
…。
でも、いまは昔ほどイライラしていません。。。
なるべくおせんべい後には手を洗うように見張っています(結局の対処療法!)。
いまも昔も同じことが起きていますが、なるべくなら長男くんの良き方向で共生を目指しています。
諦めた…と言えなくもないですし、、、
学んだ…と言えなくもないですし、、、
…。
何が言いたいかと申し上げると、特段何かについてのメッセージを出したいのではなく、変わったのは長男くんではなくわたし自身の方でして。
できることなら、長男くんがご機嫌な方がいいのです。
長男くんが(いまは未だ)変われないのであれば、わたしの態度や考え方を変えるしかないにも関わらず、わたしの初期対応はおせんべいを買ってあげないということでした。
…。
おせんべいを買ってあげない方がいろいろと都合がいいのですよ。
確かに、そうです。部屋も汚れないですし。。。
でも、それはわたしにとって都合のいい状況であって、長男くんにとっては残念な状況です。
おせんべいがないからといって癇癪(かんしゃく)を起こすというような性格でもないので、おせんべいがないならないで何とか過ごしてくれる性格です。それ自体はありがたや。。。
…。
繰り返しますが、でも、でもです。
子どもなんだから食べたいはずです。
わたしだって小さい頃にお菓子を食べていました。
いまでも好きでよく食べています。
お菓子の健康上の是非は置いておいたとしても、お菓子は美味しいし子どもならなおさら食べたいはずです。
だから、ちょっとくらいは長男くんが食べたいなら食べさせてあげたいです。。。
そして、現に長男くんも食べたいのです。
…。
結局は変わったのはわたしの方で、指でペロペロして食べるのは「仕方がない」ということで落ち着きました。
いまのわたしは現状を受け入れることができました。
いつかそのうちに、いわゆるキレイに食べてくれるようになると思っています。
横でおせんべいを食べている、ご機嫌な長男くんをみると嬉しくなります。
そうなんです。
長男くんは何も変わっていないのに、変わったのはわたしの方でして。
そうであるならば、早く自分の方が変われればよかったのにと思ってしまうのです。
わたしが変われないでいる間中(あいだじゅう)、長男くんのご機嫌な姿をみる機会を損失していました。
おせんべいの件はほんのひとつの例にしか過ぎず、(子育て全般がそうかも知れませんが)障がい児育児では本当にこれの繰り返しです。
考えさせられます。。。
…。
と同時に苦しい言い訳かも知れませんが、『イライラする→おせんべい買ってあげない→モヤモヤする』の一連の流れは、わたしが変わるための準備期間であり、どうしても必要なモノだったのかも知れません。
それらを経ることでようやく変わることができました。
そんなことの繰り返しです。
…。
でも、その度に嫌な気分になるのはもうイヤなので、ここでこそ学ぶ必要があるとわたしは学びました。
もうイライラしない!とか、ちっちゃいことは気にするな!とか、アンガーマネジメントの6秒間待機!とかじゃなくて。。。
やっぱり心と時間の余裕にいきつくんだと思います(このあたり詳しい話は『障がい児育児において大事なことは「心と時間の余裕」と「お金の見通し」…で思うこと。』を参照)。
いまは心と時間の余裕が大事と認識したうえで長男くんに立ち向かうことにしています。
だから、ひとつひとつのことで日々の長男くんの事象に反応するのではなく、心と時間の余裕が整えられるような自らの環境整備にこそ注力すべきと学びました。
決して簡単なことではないですし、自分一人だけの力で万全の環境を整えられるわけでもないです。
パパママの協力も必要です。
でも、心と時間の余裕が大事だと決めてしまえば、その優先度が高いと決めてしまえば、ものごとの判断もある意味ですんなりできるようになりました。
仕事にしても家事・育児にしても。。。
緩衝材(かんしょうざい)となる余裕を持てるようにするにはどうしたらいいのかを考えています。
塩味のおせんべいを食べる長男くんをみていて感じましたが、ココに障がい児育児のエッセンスが詰まっているようです。
そうだ、長男くん。。。
今日もいつものように元気にペロペロしているぞ!
テーブルやら床におせんべいの破片をまき散らかしているぞ!
おせんべいを口にくわえたままでも部屋を走り回るぞ!
…。
正直に言いますとイライラはまったくないとは言えませんが、以前よりは減りました。。。
まだまだ修行中です。
…。
さて、わたしはおせんべいについては受け入れることができましたが、長男くんは気分上々と冷凍庫からチョコモナカジャンボを取り出してきました。
わたしはそれを秒で冷凍庫に戻しました。
はい、長男くんにはまだ早いです。。。
長男くんも日々進化してきます。
こっちの緩衝地帯にぐいぐいやってきます。
でも、チョコモナカジャンボはダメです。
はい、これはダメですー!
…。
ということで、いつの日か長男くんがチョコモナカジャンボが食べられるようになるのを願ってやみません。
ではでは。
※長男くんはまだ歯磨きができないのと、ちゃんと歯磨きをさせてくれないので、チョコ系のお菓子はいまのところNGとしているのです。。。そんなときの長男くんの切ない顔は心苦しい…。これもいつかわたしの方が変わるのでしょうか。。。
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